劇団 風の子 中部『いろはにこんぺいとう』
幼児さん親子で鑑賞会
〜劇団 風の子 中部 制作担当 田島 千穂さんより ~
このお芝居を創るにあたって
ある日突然、大好きな○○先生にぎゅっと抱きしめてもらえなくなった。
なかよしの○○ちゃんと手を繋げなくなった。
いつもちょっかいを出してくる○○君がお母さんにダメって叱られて手を引っ張られて帰って行った。
まわりの大きい人達がみんなマスクしてるから顔がよく見えなくなって、怒っているのか、笑っているのか、泣いているのかがわからなくて、???の毎日。
外で思いっきり遊べなくて、触っちゃダメがだくさん増えて。
子どもたちにとって、‟それ”は本当に突然やってきた。昨日までの当たり前がダメになった日。大人もそうだけど、子どもたちにとっては、まさに世界がひっくり返るくらい衝撃だっだのではないかと思う。
それでも、彼らは(人間は)順応性が高いので、ちゃんと慣れていく。きっと、マスク越しの表情を読み取り、まわりの大人達の言っている事を理解し、制限された中でも新しい遊び方を生み出し、たくましく生きていく。
でも、と思う。そうやって彼らに甘えていいのか?いや、ガマンする事に慣れさせていいのか。いや、ガマンする事がこれからは次の‟当たり前”になっていく?それは、やっぱりイヤだ。もちろん、‟いのち”は一番大事。そして、同じくらい‟こころ”も大事。ぎゅっとくっついて、相手のぬくもりを感じたり、逆にイヤだなと思ったりする事は、人の成長にとって必要不可欠なこころの動きだと思うから、やっぱりそれはやめたくない。
人はつながってこそ人だから。いろんな価値観、いろんな考え方はあるけれど、こうして発信し、対話していく事が、今は大事な時だと思う。
そんな事を話しながら、この芝居の根っこはうまれました。
人は、こどもは、人間は、くっついてなんぼ!
だから、今こそ、おしくらまんぼ!